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消火器に次いで有名な設備だと思われます。
「感知器」が火の熱や煙を捉え「受信機」に信号を送り、受信機から非常ベルやスピーカーなどの「非常警報設備」で火災発生を知らせる設備です。
感知器だけでなく、「総合盤」などに付いている発信機のボタンを押すことで火災発生の信号を受信機に送ることもできます。
感知器とは、火災が発生した際の熱、煙、炎などを感知して信号を送る装置です。感知器が発する信号によって、警報が鳴ったりスプリンクラーが作動したり、防火戸が閉じたりします。
ここでは熱感知器について説明します。
熱感知器は大まかに2種類あります。
1つは、一定の温度以上の熱を感知した場合に発報する「定温式」(写真左側2枚)。温度変化の激しい場所(キッチンなど)に設置します。設置する環境に応じて感知する温度を変えるため、設定温度が違う複数種類の定温式感知器が存在します。
もう1つは、急な温度上昇を感知した場合に発報する「差動式」(写真右側2枚)です。こちらは一般的な居室に設置されるケースが多いです。
どちらも温度上昇が動作のカギになります。
続いては、煙感知器です。
こちらは熱ではなく煙に反応するタイプです。火災発生時の煙が感知器内部に入り込むことで、火災を感知します。
熱に比べて感知範囲が広いため設置個数を減らすことができますが、工事などで発生する粉塵にも反応してしまうため、扱い方に注意が必要です。
上記の感知器が火災を感知して信号を送る先がこの「受信機」です。
信号を受信すると、どこの感知器が発報したのかを表示します。
そして館内へ火災を知らせるため、非常ベルを鳴らしたり、非常放送を流したりする信号を発信します。
また、受信機の「火災時に信号を発信する」機能を使い、警備会社へ異常を伝えたり、排煙設備を起動させたりすることもあります。
2020年5月現在、新型コロナウィルスの流行は未だ収まる様子はありません。その中で消防設備業から感染症予防対策としてオススメしたいのが、「自動試験機能」が付いた機器です。
この機能があると、室内に設置された感知器の点検が外観点検のみとなるため、点検者が専用部内に入室する必要がなくなります。
不要な接触を避けることができ、入居者・点検者双方にとって安全性が高まります。
新築への導入はもちろん、既設からの変更も可能となっております。
もう少し詳しく知りたいという方は、下記noteに記事を掲載していますので、ご一読いただければ幸いです。
総合盤とは、自動火災報知設備において発信機、地区音響装置(非常ベルやサイレン)、表示灯が一体となって設置されているものです。縦型もあれば横型もあります。また近年は発信機とLEDが一体になっているタイプもあります。(写真右から2番目参照)
また消火栓ボックスと一体になっているものもあれば、発信機・地区音響装置・表示灯それぞれが単独で付いている場合もあります。いずれも、発信機、地区音響装置、表示灯それぞれの役割は変わりません。
発信機:火災が発生していることを発信するために押します。結構固いです。押すと非常ベルが鳴るほか、受信機では発信機が押された場所を表示し、消火栓がある場合は消火栓ポンプが起動します。
地区音響装置:火災を発見し発信機を押したり感知器が火災を感知した場合などに、建物内へ火災が発生したことを知らせるための警報音が鳴ります。非常ベルであったりサイレン音であったり、建物によって警報音の種類は異なりますので、自分が利用する建物の警報音を知っておくことは大切です。
表示灯:基本常時点灯しており、発信機や消火栓の位置を知らせるためのランプです。消火栓ポンプが起動している場合は点滅します。
なお、ここでは総合盤としてご紹介しましたが、発信機・ベル・表示灯がそれぞれ個々に同じ場所に設置されている場合もあります。